発達障がいを持つ子どもたちの特性に合わせた独自のサッカープログラムさっかありょういくを提供する日本発達支援サッカー協会代表理事の杉岡英明です。

 

さっかぁりょういくは、一般社団法人日本発達支援サッカー協会(JDSFA)の前身であるSKC(一般社団法人スペシャルキッズコーチング 2015年設立)時代に商標登録したものです。

 

サッカーによる療育に取り組むことになった発端は、その当時、広島県立障害者療育支援センターわかば療育園園長であった河野政樹医師(現虹の子どもクリニック院長、JDSFA医療アドバイザー)の「サッカーは発達障がいを持つ子どもたちに効果的なのではないか?」という仮説でした。

 

当時は(今もそうかもしれませんが)、発達障がい児に集団の療育は難しい、体を器用に動かすことすら難しい子どもが沢山いるのに、ましてやスポーツなんて無理に決まっている、と考える教育、福祉関係者が多く、保護者も無理だと思うしかない状況でした。「子育てで不安や悩みも多い。運動をさせたいけど教えてくれるところもするところもない。」という保護者の方々の声を聞き、サッカーで少しでも役に立てればと思いました。

 

そこで、いろいろ調べてみましたが、組織としてサッカーを療育に取り入れているところは日本中皆無でした。先行モデルのない、まさしく誰もやっていない未開の地でしたが、考え方を変えると発達障がいを持つ子どもたちに相応しい、今まで誰もやっていない教え方をつくって、子どもたちの輝きを応援出来たら、それは素晴らしい!自分たちがやらないで誰がする!という気持ちが湧き上がりました。

 

そういう気持ちが志となり、その結果、わかば療育園でまずは1年間、作業療法の一環としてやってみようということになりました。(それは今でも続いています。)

 

もちろん、最初から上手くいってばかりではありません。まず、集合しない。一列に並ばない。コーチが指示を出してもコーチに注目しない。それぞれがそれぞれに興味のあるものに惹かれてしまう。試合をやれば勝ち負けに異常に執着する、などなど。

 

「どうしたらコーチの言うことを聞いてくれるんだろう?」 現JDSFAチーフディレクター山本誠は悩みます。現役時代は日本リーグでプレーし、広島県の国体チームで選手や監督としてサッカーをやってきた彼です。今まで自分が学んできたサッカーをやらせていれば子どもたちは楽しいのが当たり前! と決めつけていないかと気付きます。

そうじゃなくて、そもそも身体を動かすことや汗をかくことが気持ちいい、ボールを蹴ることが楽しい、ゴールして嬉しいというスポーツやサッカーの原点に立ち戻る必要があるのではと気付くのです。

 

そのためにまず、発達障がいを知ることからはじめました。作業療法士さん、臨床心理士さん、児童指導員さんらのサポートを得ながら、実際にやりながら実践から学びました。

 

加えて、河野政樹医師が代表を務めるAMWEC(日本医療福祉教育コミュニケーション協会)の研修や障害者スポーツ協会の指導員研修を受講し、応用行動分析、認知行動療法、実践心理学やペアレントトレーニングを学び、代表理事の僕と共に特性に合わせた独自のサッカープログラムに落とし込んでいきました。さまざまな視覚支援などの環境調整やコミュニケーションスキルが取り入れられました。

 

こうして誕生、成長した、山本誠コーチの行うさっかぁりょういくは子どもたちを笑顔に変え、その後もどんどん素晴らしいものになっていきました。

 

 

僕は常々、「山本誠コーチのトレーニングは奇跡のレッスンだ。」と言うのですが、このレッスンの素晴らしさは、前述のさまざまなプログラムによる支援だけではなく、そこにある、人として、サッカーコーチとしてのあり方が非常に重要なポイントになっていると思っています。

 

11人に我が子に接するような愛情を注ぐことをベースに、褒めて、認めて、「やればできる!」という自己肯定感を育む、これこそがさっかぁりょういくの真髄であると言えます。

 

そしてこの姿勢は今後のスポーツ指導におけるユニバーサルな取り組み方になるのではないかと思います。

 

2018年に日本発達支援サッカー協会となり、子どもたちの変化や成長を見るにつけ、我々がさっかぁりょういくという新しいスポーツ指導の方法をつくったのだと思っていましたが、それは勘違いで、実は発達障がいを持つ子どもたちから教わったのだとつくづく感じます。

 

「普通無理でしょう。」「普通はこうでしょう。」という大人側からの考え方や見方を子どもたちはことごとく覆してくれます。発達障がいは社会をより良くするヒントの宝庫と言われる所以です。

 

さっかぁりょういくは現状に満足することなく、子どもたちと共に成長していきます。無限の可能性を持った子どもたちと日々コミュケーションしていくことに我々も最上の喜びを感じます。

 

日本発達支援サッカー協会は、この「奇跡のレッスンさっかぁりょういく」を全国に広げ、もっとたくさんの人々を笑顔にしたいと考えています。そのためには、さっかぁりょういくを教えることができるプロフェッショナルであるチーフコーチを育成しなければなりません。

 

さっかぁりょういくのチーフコーチになるためにはまず、さっかぁりょういく初級認定講座ベーシックおよびアドバンスを受講し、その後中級認定チーフコーチ養成コースを受講していただきます。

 

「障がいを個性に!」 発達障がいを持つ子どもたちの可能性を信じ、志を持って関わっていただける方と是非共にやっていきたいと思います。皆様のご応募やお問い合わせをお待ちしております!

 

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